RADWIMPS日の丸歌詞事件「HINOMARU」の何がそんなに問題なのか?
「君の名は。」の楽曲提供などで人気の
アーティスト「RADWIMPS」が
最近とんでもない大騒動に
巻き込まれています。
それはRADWIMPSの新曲
「HINOMARU(日の丸)」
の歌詞についてです。
もう日の丸歌詞事件と言っても
過言ではないこの騒動。
いったい何がそんなに
問題なのでしょうか?
検証してみました。
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目次
大人気バンドRADWIMPSに突如降りかかった日の丸歌詞大騒動
おっさんになってしまった私は
めっきり新しい曲との出会いが
無くなってきており、恥ずかしながら
RADWIMPSの名前も去年末までは
認識していませんでした。
そんな中、偶然にも
スキースノーボードシーズンに大学生
とカラオケに何度か行く機会があり
お互いジェネレーションギャップを
歌でぶつけ合いました。
そこである大学生が歌った歌を聴いて
私は「なにこれすごい名曲じゃん…」
と思わず言ってしまいました。
すると大学生は「これすごく人気の
バンドですよ。君の名はの主題歌と
か歌ってます」と教えてくれました。
「あぁ!前前前世歌ってるバンドか!」
それが私がRADWIMPSを認識し
大好きになった今年1月の出来事
でした。
いやほんと、この人達
天才だと思います、まじめに。
それからはや半年。
まさかRADWIMPSが歌詞をめぐり
こんな大騒動に巻き込まれるとは
まったく想像しなかった事態です。
「HINOMARU」発売の最初は普通の感想ばかりだった
騒動が起きたのは、RADWIMPSが
新曲を発表した2018年6月6日から
程なくしてからでした。
この「HINOMARU」という楽曲は
ニューシングル「カタルシスト」の
カップリングとして用意されていた
曲です。
「カタルシスト」の楽曲のみは5月30日に
先行発表でシングルカットしていたので
カップリングの「HINOMARU」は正式
リリースの6月6日に合わせて世に出る形
になりましたが、このあとほどなくして
ネットでは大炎上となることになります。
発表直後の感想は、称賛をするものが
ほとんど大半でした。
コアなファンは前日の5日にフラゲ
している人も多いわけで、感想はそこ
からすでにかなり盛り上がりだします。
内容としては
- ライブで聴くのが楽しみ!
- 国歌にしよう!
という意見がかなりあった印象です。
この2曲好きすぎる
ライブの妄想自分の頭の中で出来上がっちゃってライブ行きたすぎてしんどい
会場に響き渡るHINOMARUとか絶対やばい— アヤ (18) (@aaa0003wimper) June 5, 2018
HINOMARUがめっちゃいいよ!
国歌斉唱HINOMARUにしてほいくらい— あきこ (@1111okika) June 6, 2018
しかし中には一部ネガティブな
印象を持つファンもいたようです。
https://twitter.com/bawdros/status/1004347635472273408
作詞作曲の野田洋次郎さん本人は
歌へ込めた思いを語った中でも
触れていましたが、もちろん
戦争賛美などという着想で作ったわけ
ではないのは間違いありません。
しかし、もちろん歌は受け取り手に
よって変わるものだというのも
また事実ではあります。
アーティストごと、楽曲ごとの
好き嫌いも人それぞれでしょう。
発売2日ほどすると悪意のあるツイートがだんだんと増加
発売程なくして、7日あたりから
きな臭いツイートがだんだんと
増えてきます。
悪意を持った内容で歌詞を
拡散する人も現れ始めました。
そして、個人ブログで取り上げる人や
話題に敏感なリベラル系の有名人が
少しずつ触れるようになってきます。
それを受けネット上では議論に発展。
7~8日以降は、右や左、愛国や
ネトウヨなどの言葉があふれ
荒れている話題であることが
前提とした感想ばかりになります。
そして、その騒動を早速察知した
ネットメディアのハフィントンポストが
取り上げたあたりから、世の中の多く
の人が騒動になっている話題という
認識をするにいたり大炎上していきます。
この後からは、HINOMARUの話題は
ほとんどが「騒動を見たけど」という
切り口の、RADWIMPSファンでない
人たちの話ばかりになります。
そしてこの混乱は野田洋次郎の謝罪
そしてなんとコンサート会場への
歌を歌わせないための反対デモ運動
という異常な事態へと発展していく
ことになります。
HINOMARU(日の丸)の歌詞のどこが問題なのか?
騒動になっていることは知っていても
実際この楽曲を聴いたことがない人も
多いと思います。
この問題において、歌詞がどの様に問題
なのか考える材料とするために、あえて
全文引用させていただきたいと思います。
HINOMARU
歌:RADWIMPS
作詞:Yojiro Noda
風にたなびくあの旗に
古(いにしえ)よりはためく旗に
意味もなく懐かしくなり
こみ上げるこの気持ちはなに
胸に手をあて見上げれば
高鳴る血潮、誇り高く
この身体に流れゆくは
気高きこの御国の御霊
さぁいざゆかん
日出づる国の 御名の下に
どれだけ強き風吹けど
遥か高き波がくれど
僕らの燃ゆる御霊は
挫けなどしない
胸に優しき母の声
背中に強き父の教え
受け継がれし歴史を手に
恐れるものがあるだろうか
ひと時とて忘れやしない
帰るべきあなたのことを
たとえこの身が滅ぶとて
幾々千代に さぁ咲き誇れ
さぁいざゆかん
守るべきものが 今はある
どれだけ強き風吹けど
遥か高き波がくれど
僕らの沸(たぎ)る決意は
揺らぎなどしない
どれだけ強き風吹けど
遥か高き波がくれど
僕らの燃ゆる御霊は
挫(くじ)けなどしない
僕らの沸(たぎ)る決意は
揺らぎなどしない
引用:RADWIMPS「カタルシス」
いかがでしょうか?
歌詞から受ける印象は人それぞれで
しょうが、客観的に見た場合に、この
歌詞にどこか大きな問題があるでしょうか?
好き嫌いはもちろんあるでしょう。
しかし、何か例えば人種差別であったり
人を傷つける内容だったり、反社会的
な何かを扇動していたり、普通に文章を
拾っていくだけでその様に感じる部分は
無いように見えます。
逆に、この歌詞をネガティブに捉えて
いる人は何を見ているのでしょうか?
この歌詞が危険かどうかというよりも
この歌詞を自分の心のフィルターに
かけた結果、その自分の心が見えて
いるだけなのではないでしょうか?
私にはそう思えてなりません。
逆に言うと、私は主観的にこの歌を
聴いた場合はいい歌だなと感じます。
それは、私のフィルターが
そう見せているのでしょう。
私は日本が好きですから。
歌や文章などは、その様に自分の心の鏡
という側面もあるように思います。
であるならば、作詞した野田洋次郎本人が
この様な想いで書きましたと言っている
内容と離れていれば離れているだけ
その差の領域にはその人の自身の心が反映
している部分が大きいと考えられそうです。
ネガティブな意見も様々ですが、例えば
この歌を聴いて
「日本は戦争の反省をしていない!」
などと言っている人(本当に結構いる)や
そのレベルの乖離した心象を受けて
しまった人は、それは歌の問題ではない
理由が大きいのではないかと思います。
RADWIMPS日の丸歌詞問題の本質とは?
歌を聴いて、好き嫌い、楽しい不快
色んな感情が起こるのは当然でしょう。
色々な感想を思うことも言うことも
もちろん自由です。
アーティスト側としても、何かの創作を
発表した時点で、賛否両論起こること
批判的な意見が生まれることなども
もちろんある程度覚悟の上です。
藤子不二雄がエスパー魔美の中で
描いていた有名なシーンがあります。
Twitterでコレ大事 pic.twitter.com/bChjVFOqOM
— すず (@suzu_tta) January 12, 2014
創作に対する感情は、ここまでに
しておくのが理想と言えるでしょう。
歌を弾圧し規制することはむしろ戦前の言論弾圧に通じる
自由だから何をしても、なにを言っても
いいというわけではもちろんありません。
公的な秩序を大きく乱したり、他者の
権利を損なうような犯罪的な言論には
それ相応の責任が伴います。
しかしそうでない限りは、日本には
思想信条の自由があり、言論の自由があり
憲法には表現の自由が書かれています。
ファンの感想がそれら逸脱しない範囲で
自由なように、アーティストも自由で
あるべきなのは当たり前のこと。
想ったことを歌にしそれを発表すると
いうこと、そしてこの「HINOMARU」の
内容が、何かその自由に対して大きな問題
があるということは間違いなくありません。
しかし、一部批判的な人または勢力は
かなり攻撃的なアクションを起こして
いました。
直接的な暴言、事務所へのクレーム
そしてコンサート会場での「歌うな」
という圧力目的のデモまで……。
これは現代の倫理観でもっともやっては
いけないことの一つである言論弾圧に
繋がる行為であり、非情に危険なことです。
歌を弾圧するというのは、むしろ戦前戦中
の日本のしてしまった反省するべき悪い
部分に近いでしょう。
当時は歌や大衆演芸など
様々な規制や弾圧が行われていました。
戦前の反省がなどと言う人が
これをやっているわけですから
本当に悪い冗談みたいです。
日本死ねといえば流行語大賞になり
国旗が他国からの攻撃材料になり
国が好きだと歌えば叩かれる。
この日本の状況は、どう考えても
違和感しか覚えません。
とはいえ歌によって様々な感情が起こり
問題提起がされ、色々な想いや思考を
巡らすこと、それはとても意義のある
ことだと思います。
ほんの6分ほどの歌で、これだけの騒動が
起こることは、RADWIMPSの歌の持つ力
内包するエネルギーの大きさを逆に証明
しているとも言えるのかもしれませんね。
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